【新ヘアカラー剤】クイックカラー、明るい白髪染めの仕組みを理解して応用レシピを考えてみる。

お客様でも美容師さんでも少なからずヘアカラーをネガティヴに感じている方もいると感じています。

時間がかかる。希望の色にならない。髪が痛む。などなど、、、

他にもネガティヴに思う要素はあると思いますが、新しいヘアカラー剤や応用を駆使した既存ヘアカラー剤でネガティヴ要素を改善できるかもしれません。

過水を操作して発色力、リフト力、スピード力を変化させる。

過去にもヘアカラー剤の仕組みについてはブログにしてきました。

従来ヘアカラー剤の低レベルは薬剤と過水を(1:1)、高レベルは(1:2)の場合が多いです。

これは薬剤のアルカリと反応させる過水のバランスによるものです。

アルカリと過水が反応してヘアカラーのパフォーマンスが発揮されるので今まではそのバランスを保ち当たり前の様に配合していました。

しかし、新しいヘアカラー剤はその従来のバランスを崩して対比を変えています。

なんでそんな事ができるのか…

バランスを崩すということは濃度やパワーを変えてバランスを保つ。

何やら難しくなってきましたね。

でも、物事はシンプルに考えましょう。

アルカリ、染料濃度、過水のバランスで考えると簡単になってきます。

もちろんニュータイプは新しい切り口として登場しましたのでもっと細かい新処方はあると思いますがここでは簡略化します。

白髪染めの仕組みから考えた。

新しいヘアカラー剤は低レベルの仕上がりでも(1:2)(1:3)の対比で染め上げてしまいます。

クイックカラー、明るいグレーカラー(白髪染め)のニュータイプが出ていますので考えてみました。

白髪染めはファッションカラーと比べ染料が濃いです。

白いもの(白髪)を染めるわけですから濃くないと染まらないですよね。

そして、白いものを染める為にアルカリパワーも強いです。

さらに、完全発色させる為に放置時間も長め設定(30分)です。

染料が濃く、パワーも強く、放置時間も長いと言うのが従来のグレーカラー(白髪染め)の特徴です。

これをどうやってクイックに染め上げるのか?

どうやって明るめの白髪染めができるのか?

クイック特化、発色特化の白髪染めの仕組み。

全てに当てはまる訳ではないですが、、、

染料多+過水(1:1)+アルカリ高=従来品

この固定概念をぶっ壊します。

染料多+過水(1:2)+アルカリ激高=ニュータイプ品

これだと通常より発色スピード、リフトスピードが速い。

短時間で染め上げるので塗布スピードがかなり重要。

長時間放置しても反応はほぼ変わらずダメージが進行。

そのため、リタッチ(根元だけ染める)に向いている。

しかし強い薬剤になりますので頭皮への負荷は当然高まりますね。

染料多+過水(1:3)+アルカリ低=ニュータイプ品

これだと過水に対してアルカリ低の力が足りない。

反応しきれる過水%が減りますが、アルカリ低のリフト力をじっくり発揮。

染料多と過水が酸化重合し大きな重なりになって発色力をUP。

時間は必要ですがじっくり白髪を染めてベースもじっくり明るくなる。

そのため、幅広い色や明るい白髪染めに向いている。

しかし過水が3倍なので粘度が緩くそれに合わせた塗布の技術が必要になりますね。

仕組みがだんだん分かってきましたね。そうなると新しいアイデアが出てきます。

従来のヘアカラー剤を応用する。

クイックカラーでは目的レベルより濃い目のヘラカラー剤に過水を倍増。

過水を増やしたことにより色素濃度が薄まり目的レベルへ。

そして、過水で反応を速めます。

塗布時間にはシビアですが有効です。

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過水規定が数倍希釈のヘアカラー剤は過水を減らす事でリフト力を上げながら濃い色素が入ります。

根元と毛先が相当なレベル差がある時に暗髪にする場合使えます。

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使い方はマニュアルでなくとも知識があれば応用は効く。

「ケミカルはいらない」と言っていた美容師さんがいたのですが必要最低限は知っていなければいけないと感じています…

もちろん実践や技術は大事です。技術職ですからね。しかし、、

カラーを塗ること(技術)はできるがヘアカラー剤の中身(知識)は知らない。となったら…

そこでお客様の看護師さんに聞いてみました。

注射を打つことはできるが注射の中身を知らなかったらどう?

「ヤバイですね…絶対に打ってもらいたくないです…」と、、、、

極論、一緒です。

できるが知らない。

知るだけで安心と応用も可能になってくることもあるのです。

新しいオリジナルの応用レシピをカタチにする為にケミカルは必要です。

興味のあるものから知識を深めてみてはいかがでしょうか?

 

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